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カムシャフトの役割とは?エンジンのキーパーツをわかりやすく解説

車の部品の豆知識
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エンジンには独自の特性が存在することを知っていますか?

エンジン内部には多くの主要な部品が組み込まれていますが、その中で特にエンジンの特性を形成する要素として「カムシャフト」が挙げられます。

この記事では、カムシャフトの魅力と深い背景について探ります!

エンジンの“個性”の秘密

エンジンの性能は馬力だけではなく、パワーの発生方法や最適な回転数、最大限に活用できる回転数などの「個性」がそれぞれのエンジンに備わっています。

例えば、大きな排気量を誇るディーゼルエンジンは、低回転時に強力なトルクを生み出し、一方で小さな排気量の多気筒ガソリンエンジンは、高回転時に活発に動作する特性があります。

このようなエンジンの個性を形成する要因は、単一の部品や簡単な仕様だけで決まるものではありません。

しかし、その中心となる部品としてカムシャフトが挙げられます。

さて、カムシャフトの役割について詳しく見てみましょう。

カムシャフトの役割と特性

カムシャフトは、4ストロークエンジンのバルブを制御するための「カム」という突出部分を備えたシャフトです。

このシャフトの断面は楕円形をしており、楕円の中心とシャフトの中心が一致しないのが独特の形状となっています。

この楕円形の部分が回転することで、突出部が上下に動くように見え、バルブを動かすための部品。

例えばバルブリフターやロッカーアームを介して、この回転動作を直線的な動きに変える役割を果たしています。

4ストロークエンジンでは、クランクシャフトが2回転する間にカムシャフトは1回転するという関係があり、ピストンの動きと同期して動くタイミングが設定されています。

一方、2ストロークエンジンやロータリーエンジンには、吸排気バルブが存在しないため、カムシャフトも必要とされません。

エンジンチューニングの鍵となる要素

カムシャフトは、エンジンの吸排気バルブを駆動する中心的な部品。

エンジンの出力を向上させるためには、多くの空気を取り込み、それを燃料と組み合わせて効率的に燃焼させ、排気ガスを迅速に排出することが求められます。

このカムシャフトの形状や、その突出部の長さは、エンジンの出力特性に大きな影響を与える要因となります。

具体的には、ピストンがどの位置でバルブの動作を開始するか、また、いつ最大のバルブの開きを持たせるかなどのタイミングが、エンジンの吸排気効率を向上させ、性能を最大限に引き出すキーとなります。

これらの要因は「バルブタイミング」として知られ、チューニングの際の醍醐味や課題となることもあります。

そのため、チューニングの際には、ピストンやクランクシャフトと同じく、カムシャフトの重要性が強調されます。

特に、突出部の長さが長いカムシャフトは「バルブが大きく開く」という特性を持ち、「ハイリフトカム」として知られています。

この「ハイカム」という言葉は、チューニング界隈でよく使われる言葉の起源となっています。

「ハイカム」を導入することには多くのメリットがある一方で、注意点も存在します。

カムシャフト変更時の注意点

高いリフトや広い作動角度は、吸気のスピードを増加させるのが難しく、バルブが開いている期間が長くなるという特性を持っています。

この結果、シリンダーに供給される空気の圧縮時間が短縮され、十分な圧縮が行われないことがあります。

このような状況では、十分な圧縮が行われないため、エンジンの出力が低下するリスクがあります。

特に、高回転域を重視した設計の場合、一度エンジンが動き始めれば問題は少ないものの、エンジンの回転数が低下すると、エンジンの動作が不安定になることがあります。

さらに、バルブの動作速度が増加すると、バルブやバルブスプリングの重量による慣性が問題となり、高回転時にはバルブの動作が不安定になるリスクが高まります。

このような問題を引き起こす現象には、“バルブサージング”や“バルブバウンス”、“バルブジャンピング”などがあり、これらはエンジンの出力低下や、最悪の場合、エンジンの破損を引き起こす可能性があります。

これらの問題を解消するためには、軽量なバルブの使用や、高いレートのバルブスプリングへの変更などの対策が考えられます。

「バルブスプリングの強化やバルブの軽量化は必要」との意見が多いのは、上記の理由からです。

しかし、一般的なエンジンと比較して、特別な仕様を持つ“ハイカム”の導入は、必ずしも高性能を保証するものではありません。

目的とする回転域に特化した設計であり、その他の範囲では性能を犠牲にする可能性があるという点を理解することが重要です。

チューニングの多様な選択肢

加工カム
特定のチューニングカムが存在しない場合や、独自の「カム形状」を試みたい際に、「カム加工」という方法を選択します。

この「カム加工」は、標準のカムシャフトを基盤とし、卵型の反対側である丸い部分を少し削り取り、新しい「カム形状」を作成することで、カムの高さを相対的に増加させるアプローチをとります。

非対称カム
カムの頂点を上向きにし、その形状が対称でないものを指します。

カムシャフトがバルブを操作する際、開く動作はカムの力だけで十分ですが、閉じる動きはバルブスプリングの反発力で行われます。

急な閉じ動作は、バルブに大きなストレスを与えるため、「非対称カム」の形状は、バルブが滑らかに閉じるように設計されています。

一方、バルブを迅速に開くことで、より効率的な吸排気を実現します。

このような考慮を組み込んだ結果が、アシンメトリカムの特性となっています。

ポンカム
標準のカムシャフトをそのまま交換するだけで、高い性能を得ることができるアイテムです。

標準のバルブスプリングでも対応可能な形状を持ち、複雑なバルブタイミングの変更や、基本的にはバルブの隙間の調整も不要です。

これにより、簡単にチューニングカムを体験できます。

カムシャフトの製造秘話

では、カムシャフトはどのように作られているのでしょうか?

その特異な「カムの形状」や微細な「カム形状」は、どのようにして作り出されるのでしょうか?

実は、高度なコンピュータ制御の工作機械ではなく、大きな原型の円盤を基にして、カムシャフトを偏心させ、研磨石に当てる方法で作られています。

このプロセスは、一般的な鍵作成機と似たイメージがあります。

まとめ

エンジンの特性を形成する要素には、それぞれ特定の役割や部分があります。

「基盤」とはシリンダーブロック以下を指し、トルクの主要な要因は、主に排気量に依存しています。

そして、この基盤で生み出されるトルクをどのように最大限に活用し、特色を付けるかは「頭部」、つまりシリンダーヘッドと、特にその中のカムシャフトが中心的な役割を果たしています。

この記事では、「カムシャフト」をエンジンの特性や性格を形成する主要な要素として取り上げましたが、実際にはここで触れた内容は氷山の一角に過ぎません。

カムシャフトの材料や表面処理、さらに「バルブタイミング」という密接に関連するトピックを含めて詳しく説明すると、それは一冊の本を埋め尽くすほどの内容となります。

エンジンの世界は、その深さと広がりに驚かされるものです。

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