近年、環境への配慮が高まる中、PHEV（プラグインハイブリッド電気自動車）への関心が増しています。
しかし、ハイブリッド車とどう異なるのか、その利点や欠点がはっきりしないために購入を躊躇している人も多いかもしれません。
本記事では、そうした方々に向けて、PHEVがどのような特性を持つ次世代自動車なのかを詳しく解説します。
PHEVの基本概念と特徴
PHEV、すなわち「プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル」は、一般的に「プラグイン・ハイブリッドカー」として知られています。
この車両は、ハイブリッドカーの利点と電気自動車の利点を組み合わせたもので、家庭用の電源プラグを使ってバッテリーを充電できる特性があります。
PHEVはハイブリッドカーに比べて、外部からの充電が可能な機能と大容量のバッテリーを備えています。
これにより、電気自動車モードでの長い航続距離を実現しています。
万が一バッテリーが切れても、ガソリンエンジンで走行可能なため、長距離ドライブでも充電スポットを探す必要が少なくなります。
■ハイブリッドカーとPHEVの差異
ハイブリッドカーとPHEVは基本的な構造は似ていますが、PHEVはより大容量のバッテリーを搭載し、モーターだけでの走行距離を伸ばすことができる点が特徴です。
また、運転者は自由に走行モードを切り替えられ、さまざまな環境に応じて最適な走り方を選択できます。
■PHEVとPHVの名称の違い
PHV（プラグイン・ハイブリッド・ビークル）とPHEV（プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル）は同じ車両を指す言葉です。
これらの略称はメーカーによって異なる場合がありますが、日本では多くのメーカーが「PHEV」という呼称を使用しています。
PHEVおよびPHV車種の概要
■トヨタ プリウス PHV
2015年2月15日にデビューしたトヨタのプリウスPHVは、新しいプラットフォームTNGAを採用しており、シャシーの性能とPHEV特有の性能が大幅に向上しています。
8.8kWhの比較的小さなバッテリーを搭載しながらも、優れた走行距離を実現しています。
平均燃費：37.2km/L
電気モード走行距離：68.2km
■三菱 アウトランダー PHEV
2013年1月に発売された三菱のアウトランダーPHEVは、SUVタイプであり、13.8kWhの大容量バッテリーを備えており、アウトドア活動に適しています。
海外市場でも高い人気を誇ります。
平均燃費：19.2km/L
電気モード走行距離：60.8km
■BMW 330e iPerformance PHEV
BMWの330e iPerformance PHEVは、市街地での軽快な電気モーター走行と、高速道路でのパワフルなツインターボエンジンとの併用により、力強い走りを提供します。
平均燃費：17.7km/L
電気モード走行距離：36.8km
■MINI ミニクーパーS Eクロスオーバー ALL4 PHEV
スタイリッシュなデザインが特徴のコンパクトSUV、MINIのミニクーパーS Eクロスオーバー ALL4 PHEVは、家族での快適なドライブが可能です。
4WD仕様のため、悪天候でも安定した走行が可能です。
平均燃費：17.3km/L
電気モード走行距離：42.4km
■フォルクスワーゲン ゴルフGTE PHEV
フォルクスワーゲンのゴルフGTEは、長距離ドライブでも低燃費のEVモードで快適に走行できます。
スポーツモデルのGTIをベースにしているため、加速時のストレスも少ないです。
平均燃費：19.9km/L
電気モード走行距離：45km
PHEV車の長所と短所
PHEV（プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ビークル）は、先進のモーターとエンジン技術の組み合わせにより開発されていますが、メリットとデメリットの両方が存在します。
ここでは、それらの特徴を探ります。
■PHEVの利点
PHEVの最大の利点は、外部充電により短距離移動でガソリンをほとんど使用しなくても済むことです。
バッテリーが尽きるとガソリンエンジンが作動するように設計されています。
電気自動車に比べてより長い距離を走ることができ、充電時間も短縮されています。
たとえば、トヨタのプリウスPHVは約20分で充電可能です。
外部電源機能も備えており、アウトドアなどで1500Wまでの家電製品を使用する際に便利です。
バッテリーが減少するとエンジンが自動で始動するため、バッテリー切れの心配が少なく、災害時の停電時でも発電源として機能します。
■PHEVの欠点
PHEVの主な欠点はその高価格です。ハイブリッド車やガソリン車と比較して、車両価格が高く設定されています。
多く走るユーザーにはガソリンコストの節約が期待できますが、走行距離が少ない場合、車両価格の差を補うのが難しく、経済的な負担が大きくなることもあります。
また、ガソリンの劣化にも注意が必要です。長期間ガソリンを使用しない場合、自然に劣化してしまうことがあります。
そのため、一部のPHEV車種では一定期間ガソリンを使用していない場合、自動的にエンジンを始動させてガソリンを消費するよう設計されています。
PHEV車の充電方法と場所について
PHEV車の購入後、充電スタンドの場所が重要になります。以下で、PHEV車の充電に関する選択肢を紹介します。
■自宅での充電
多くのPHEV車は200V電圧を必要としますが、家庭用の100Vコンセントでは充電できない場合が多いです。
一部の車種は100Vでも充電可能ですが、満充電には10時間以上かかることがあります。
自宅での充電を検討している場合は、200Vの充電設備の設置が必要になりますが、賃貸住宅では設置が困難な場合もあり、工事費用は約10万円程度を見込む必要があります。
■公共の充電スタンド
急速充電スタンドは、コンビニエンスストア、ショッピングモール、高速道路のサービスエリア、道の駅などに設置されています。
充電中はショッピングや食事を楽しむことができ、充電スタンド利用時にはプラグの接続を確認することが大切です。
■ディーラーでの充電
一部の自動車メーカー、例えば日産では、月額支払いプランでディーラーの急速充電器を利用できるサービスがあります。
まとめ
PHEV車は燃費が非常に優れており、経済的なカーライフを実現できます。
この機会にPHEV車の購入を検討し、乗るほどに金銭的なメリットを享受しましょう。
楽しいカーライフをサポートしますので、ぜひご検討ください。
